指圧

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指圧と自然治癒

漢方で言う気血が順調に規則正しく十二経脈を流れて新陳代謝が円滑に行われている時が健康で、病気の時は気血の流れ乱れたり、停滞してくるのが東洋の見解であるが、その時には経脈上特に経穴部位に異常な反応として硬結なり、圧痛点がみられることが多い。主として母指や手掌を用いて、手ごたえのある所まで押圧し、心眼を開いた母指圧で、内臓とか頭脳の疲れが体表に現れている、内臓反射による筋、靭帯の硬結や、内臓知覚反射による圧痛点を感受し、其の虚実に応じて、ある時は触圧程度に止める補の指圧、ある時は母指に体重を乗せた強圧の寫の指圧を臨機応変に施し体表の異常部位を緩解し、圧痛を取り除き、凝りの無い、スッキリした柔軟な弾力性のある身体にすることにより、生体に備わっている自然治癒能力、各細胞の小器官が持ち場の職域を守って正常な働きを遂行することにより、生体の変調は矯正され、万病を予防し、難病を克服し、若さも保ち、健康の維持増進を図り天寿を全うすることができると考えられる。
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自然治癒能力の仕組み

生体の主な働きは自律神経やホルモン系の有機的な調整と調和作用によって、五臓六腑を構成している各器官の細胞が密接に関係を保ちながら活動を続けているのであって、一つの器官の異常が他の様々な器官にも、悪影響を及ぼすはずで、、体表にもその影響反応が現れて肩や背中が凝ったり、関節の節々が痛んだりしてくるものである。私たちの体が外因によって障害を受けるのは中毒、病原体の感染、外傷、異常環境等であるが、これ等に対して生体は防御できる仕組みになっている。
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四肢の指圧の効能

四肢即ち上肢、下肢の指圧は全身の血液、リンパの流れを良好にし、細胞に酸素や栄養の供給を盛んにし全身の細胞に活動を促すと共に、体内の不要な老廃物や、異物を排泄器官である腎臓、肺、皮膚、大腸を経て体外へ排泄されるだけでなく、筋肉内に蓄積した老廃物も筋力の源泉となるグリコーゲンに還元させる働きにも寄与する点も多大である。また神経の感受性などにも好影響を与え、神経の機能を充分と発揮させることもできると考えられている。私どもが心身の活動の際に多量のエネルギーが必要とされている、このエネルギーは血糖を燃料として酸素の供給により、主として筋肉や肝臓の細胞で科学的な変化によって産出されている。そのエネルギー即ち気血が活用されることによって、活動が続けられるのであるが、その結果老廃物が筋肉内に蓄積されるようになると、疲労感を覚えるばかりでなく、その老廃物が筋肉に科学的な刺激を与えて筋肉を収縮させ筋や靭帯を硬結させ凝りを造る原因の一つになっている。これに対し四肢の指圧を入念に行う事により血液の循環が良好となり、血液が運んできた酸素によって大部分はグリコーゲンに再合成され疲労素がなくなり、心身共に晴れやかになるのです。
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顔面指圧

顔面には三叉神経、顔面神経が分布していて顔面の知覚や表情筋、咀嚼筋の運動を司っている、眼には視神経、動眼神経、滑車神経、外転神経、自律神経、が分布し、視覚を司るだけでなく、意識等精神方面にも関係している。したがって三叉神経痛、顔面神経麻痺、副鼻腔炎、唾液分泌、涙液分泌、不眠症、眼精疲労、美容等にも効果があるが、眼球指圧はアシュネル反射「眼心臓反射」を起こし徐脈になり血圧を降下させる作用もする、これは眼球の圧迫により、三叉神経の第一枝の眼神経より副交感神経の迷走神経が刺激され、緊張が緩和されます、これにより血圧と心拍数が下がります。
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頭部指圧の効果

頭部には神経活動や生命維持に最も必用な大脳半球や脳幹、小脳があるので、その部位の指圧は建脳法、記憶力増進、若返り法として顕著な効果なるものがある。圧効果は大脳皮質や脳脊椎神経、自律神経等の脳細胞に作用し、諸種の意識現象や記憶力を増強し、神経性の諸疾患、、不眠症、内臓諸疾患等にも良い効果が期待されている。
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健康五原則の達成

人生の幸福は心身の健康が第一であって、一度病気に罹ると健康の有難さを特に痛感するものである。真の健康とは、気持ち良く働ける快動、腹の底から笑える快笑、何でも美味しくいただける快食、ぐっすりと気持ちよく眠れる快眠、糞尿の排泄が規則正しくスムーズに行われる快便の五原則を達成して初めて健康であると言えるのである。このうち一つでも欠いたら真の健康とは言えないのである。五原則を達成するには、先ず第一に心身の凝りを取る除き、柔軟で弾力性のある身体であることが望ましい、自力で行う運動などで鍛錬すると共に全身の指圧を受けて心身の凝りをとり除く事が、健康五原則達成の近道の一つである。
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指圧療法の効果

指圧療法は自然治癒力の喚起を目的として施術するので次のような事にも貢献しているのである。1・骨格の調整 2・筋組織の柔軟化 3・神経機能の調和 4・皮膚機能の活性化 5・生命力の賦活
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循環器系の正常化

指圧は心臓、血管に対して反射的に作用して収縮や拡張作用を来たし、部分的に血流を弱めたり充血をさせる事ができる。指圧の直後は血管内圧が上昇し、血圧上昇をおこす事もあるが、暫くすれば血管の緊張は弛緩し、動脈の血流は促進して、局所的に充血を起こし、全身の血液、リンパの循環がうまく行われ、身体各組織への各種栄養素や酸素の供給が順調に行われ、消化吸収は旺盛になり、組織内の各種細胞の活動を増強し、その結果排出老廃物、病的産物が排泄器官である泌尿器官である泌尿器や肺、大腸、皮膚等により体外に排出し、組織内に出血などあった場合でもそれを吸収排除して心身の正常化を図るものである。
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ストレス

ストレスはホルモン即ち内分泌の不均衡によって生ずると言われているが、その学説を唱えたのがカナダのハンス・セリエ博士である。指圧療法の加圧が適圧であれば、下垂体前葉で造られた副腎皮質刺激ホルモンや、その刺激によって副腎皮質で造られる数種のホルモンが血液中を流れて異常を生じている各種臓器に作用して正常化に作用し健康に導きストレスが解消されると言われている。
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指圧の矯正作用

指圧の矯正作用には脊柱の矯正作用その他の骨格、関節の矯正作用も含まれるが、指圧療法は原則として全身施術を系統的に行い、筋肉、靭帯の柔軟性を助長し、自然治癒能力により、身体全体の矯正とバランスの正常化を図り、疾病を予防し、無理のない生活をおくれるように、生体に備わる恒常性、ホメオスタシスを喚起させることになる、したがって新陳代謝が盛んになり、老廃物の排除を助け、諸種の薬害や公害にも対応し、老化現象を防ぐ上にも貢献する。